2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧
談話分析をするのであれば「コミュニケーション」とは何かを明確にしておかなければならない。なぜなら談話分析とはコミュニケーションの一部を分析をする物であるため、非常に密接に関わってくるから正確な理解と扱いが必要なのだ。 コミュニケーションの要…
談話分析をする際に有効なツールとして、テクストとコンテクストがある。談話分析では実際の話された会話などをテクストとコンテクストというスタイルで保存し、分析を進めていくことが多い。以下ではその基礎となるテクストとは何か、コンテクストとは何か…
談話分析とは1つの文のみを対象にした分析(ことばの構造分析)を超え、文と文の関係性などを分析するので、言葉の構造・言葉の機能両方を知った上で談話分析を進めなければならない。 談話分析の手順 談話分析では分析する言葉(文)を - 言葉の構造の分析 -…
ことばを使ったコミュニケーションの働き、作用のことを指す。社会言語学の領域では非常に重要とされる考え方である。ことばの機能っていっても、具体的にどんな機能があるの?と疑問を持ち、機能を分解していった学者の一人にヤコブソンとハイムズがいる。 …
ことばの構造とは 言語学においてことばの構造とは、ことばの部分と部分の関係を指す。文を対象にするのであれば、文の中における句と句の関係を指し、句の構造と言えば、句の中の語と語の関係を指す。このようにことばを分解し、ことばの単位である句や語、…
言語変種からみる社会階層と地域性 言語における標準変種と非標準変種 - ことばの世界で把握したように、社会階層によって同じ英語でも使っている言葉の文法や発音、アクセントが異なることがあり、それを変種と呼ぶ。変種には標準変種と非標準変種に分ける…
言語には標準変種(standard variety)と非標準変種(non-standard variety)が存在する。特に非標準変種は土地言語(varnacular)とも呼ばれる。 これらの変種は、地域性のみでなく、社会階層によっても規定される。 標準変種を使う人たち 主に上流階級に属する…
多言語社会について考える際、思い浮かぶ国々はというとアメリカやフィリピン、ヨーロッパ(EU)あたりになるのではないだろうか。逆に非多言語社会といったときに思い浮かぶのは単一民族国家と一般的には認知されている日本になるのではないだろうか。しか…
同化政策とアイヌ語の衰退 1869年、大日本帝国は蝦夷地を北海道と改められ、和人が次々とその地に開拓を図るようになっていった。同時にアイヌ民族に対して狩猟/漁業の規制を設け、アイヌ民族の伝統的な暮らしを強制的に変えていくこととなる。和人は旧土人…
近代欧米文化を軸にした言語研究 この時代の言語研究の目的は文化の起源を探求することにあった。一般的には近代欧米文化が最も高次な領域にあり、地域の民族が持っている文化を低次と見なし、高次なものへと上げていくという文化進化論が幅を効かせていた。…
近年、日本でも「多言語社会」に関する意識が高まっている。なぜか?1980年以降、外国人が急激に増えたからだと推測することができる。しかし、これまで「多言語社会」について語る際、その言語の数や使われている言葉の数に注目しがちだった。もっと深く「…
「多言語社会日本 - その現状と課題 - 」を読んで、今後詳しく知りたくなった時のためにひとまとめ。 庄司博史(Hiroji Shoji) 執筆した内容:「多言語社会の捉え方 - いくつかの視点 - 」 現職:国立民族学博物館民族社会研究部教員 専門:言語学、言語政策…