2015-05-01から1ヶ月間の記事一覧
多言語政策が重要視されるようになったのはどのような経緯からなのか、19世紀の国家形成までさかのぼってみていく 近代国民国家イデオロギーのもと形成された国家 19世紀のヨーロッパで主に盛んだったのが近代国民国家イデオロギーに則った国家形成。これは…
多くの人が様々な理由で国と国を行き来するようになった現代において、国における多言語政策は日に日に重要になってきているように思える。ここでは「多言語政策」という言葉についてまとめる。 言語政策の定義 庄司(2013)によれば、言語政策とは国家あるい…
声門や声帯以外にも人は音声器官を有しています。今回は主に口と鼻の音声器官についてまとめます。 気流の通る道と咽頭腔 肺から出た気流は声門・喉頭蓋を通り、咽頭腔(いんとうがい: epiglottis)という筒上の空間を通り、鼻または口へと向かっていきます…
「ポライトネス」という言葉の誤解 ポライトネス(politeness)は翻訳すると「丁寧な、礼儀正しい」という意味になる。しかし言語学的にこの言葉を使う時はその意味以外のことも含むので単にポライトネスと表記することが多い。言語理論上のポライトネスは人の…
音声学(Phonetics)とは 言語音を物理的に分析していく学問。実はこの領域は言語学の領域ではなくて物理学のそれに当たる。 というわけで、言語音をどう整理し、分類していくかをみていくことにする。 人が音を出すために使っている器官 声を出すための器官を…
複数の言語が併存していて、ダイグロシアのように安定した言語環境であれば言語の衰退はあまり見られない。 しかし安定していない、つまり言語同士が同じ状況下で使われ競合した場合、一つの言語が広く使われるようになり、それ以外が衰退していく過程を辿る…
ダイグロシアとは日本語に訳すると「二言語変種使い分け」となる。 社会によっては二つの明らかに異なる言語が状況や場面に応じて使い分けられており、同時に存在する場合がある。 例えばシンガポールでは大学では英語が使い、家庭では北京語を使う人もいる…