19~20世紀前半までの言語研究
近代欧米文化を軸にした言語研究
この時代の言語研究の目的は文化の起源を探求することにあった。一般的には近代欧米文化が最も高次な領域にあり、地域の民族が持っている文化を低次と見なし、高次なものへと上げていくという文化進化論が幅を効かせていた。今となっては偏見もいいところである。
よって、民族の持つ文献(碑文や書物)などから文化理解を深めようと、言語を比較しながら研究を進める比較言語学が盛んになった。しだいに書き言葉以外にも音韻や文法構造の変化を汲み取り、より精密な分析をする動きが生まれ、研究対象は口語資料に移っていった。これらの分析により、言語の変化を明確化し、変化パターンを追求するものが研究のゴールになりえた。
構造主義(Structuralism)
科学的な検証に耐えうる方法で上記の研究を行なれたのだが、その研究手法を構造主義と呼ぶ。音の連続体である言語資料を帰納的に分析し、言語の単位を定め、言語間のつながりの法則を明らかにしようとした。
構造主義の理論的意義
- 共時態と通時態への分離
- エティックとエミックへの分離
共時態・通時態とは
共時態とは時代ごとに言葉をみるのではなく、現在なら現在の一点にしぼって使われている言葉の実態を指す。一方で通時態とは歴史・時代の時間軸で区切って言葉の実態を捉えたものを指す。
エティックとエミックとは
エティック(phonetic: 音声的)とは普遍的な言葉の音のことを指す。エミック(phoneme: 音素)とは母語話者の頭の中で認識される音のことを指す。言い換えると、エティックはすべての言語を母体にとり、それぞれの言語で発せられる音すべてをコレクションした集合体であり、エミックとはある人が持っている音である。なのえエティック的には分離できても、エミックの視点では統合されて1つの音のケースがあったりする。
考察・疑問:
- どうして共時態と通時態という分け方をしたのか?
- エティックとエミックの分離は機械翻訳の際めっちゃ便利だと思う!