ことばの世界

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音声器官入門Ⅱ - 口と鼻の音声器官 -

声門や声帯以外にも人は音声器官を有しています。今回は主に口と鼻の音声器官についてまとめます。

気流の通る道と咽頭

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肺から出た気流は声門・喉頭蓋を通り、咽頭腔(いんとうがい: epiglottis)という筒上の空間を通り、鼻または口へと向かっていきます。また鼻の中の空間を鼻腔(びくう:Nasal cavity)、口の中の空間を口腔(こうくう:oral cavity)と呼ぶことも覚えておきましょう。気流が鼻腔へ流れて作られる音を鼻音(びおん:nasal)といいます。

口の音声器官

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イメージ写真を参照しながら確認しましょう。口内の天井を舌で触ってみると前側が固く、奥にいくとやわらかくなってるのが確認できます。固い部分を硬口蓋(こうこうがい:palate)、やわからい部分を軟口蓋(なんこうがい:velum)といいます。さらに軟口蓋の奥にいくと細長く垂れ下がっている部分があり、それを口蓋垂(こうがいすい:uvula)といいます。また当たり前ですが、歯と硬口蓋は歯茎とよびます。これらは立派な音声器官です。例えば日本語だと「タ行」や「ラ行」を発音する際、歯茎や硬口蓋に舌が触れるのが確認できるかと思います。

また声を出す時に必要な音声器官である舌についても忘れてはいけません。 舌の位置により呼び方が変わってきます。先端のほうから

  • 舌尖(ぜっせん)
  • 舌端(ぜったん)
  • 前舌(ぜんぜつ)
  • 後舌(こうぜつ)
  • 舌根(ぜっこん) といいます。

調音点(point of articulation)

音声学では気流がせき止められたり、通り道が狭められたりする箇所を調音点とよびます。調音点で音がつくられるので、言語学的にも非常に重要な箇所となっています。主な調音点は歯・歯茎・唇の他にもこれまでに紹介した硬口蓋・軟口蓋・口蓋垂咽頭喉頭・声門が含まれます。

reference: 音声器官入門Ⅰ - 声門と声帯 - - ことばの世界