音声器官入門Ⅰ - 声門と声帯 -
音声学(Phonetics)とは
言語音を物理的に分析していく学問。実はこの領域は言語学の領域ではなくて物理学のそれに当たる。 というわけで、言語音をどう整理し、分類していくかをみていくことにする。
人が音を出すために使っている器官
声を出すための器官を音声器官(Speech organs)と呼びます。当たり前のことですが、多くの動物が一般的によく知られている歯・舌・鼻といった音声器官を持っていますが、これらの音を使って言葉を話すのは人間だけです。また人間は様々な音を正確に生成することも可能です。これは他の動物には真似できません。以下、各音声器官の要所についてまとめます。
声帯まわりの器官について
肺から出た空気は声門(glottis)を通ります。声門とは何かをいうと、口や鼻から入ってくる空気を気管に流し込むための門だと思ってください。声門には声帯(vocal cords)と呼ばれる薄い膜が左右に存在し、人はこの器官を使って声帯を振るわせながら音を作っています。声門は食べ物が気管に入ってこないように固形物と空気を分離するための蓋という役割を持っているのですが、同様の役割を持つ器官に喉頭蓋(こうとうがい)があります。
有声音と無声音
声帯が作り出す隙間によって、音の質が変わります。写真を参考にするとわかりやすいです。声帯を使って声門の開け閉めを行ないます。この運動で声を出すのですが、隙間が小さければ空気が声帯を揺らしますので有声音(voiced)に、隙間が大きければ無声音(voiceless)になります。有声音は「a,i,u,e,o」のような音、無声音はささやき声などをイメージするとわかりやすいかと思います。
専門用語
この領域は専門用語続出なのでまとめておく。資料や専門書を読むときに調べて訳する時間を作らないよう、覚えておくとあとあと助かることが多い。
- phonetics = 音声学
- Speech organs = 音声器官
- glottis = 声門
- vocal cords = 声帯
- voiced = 有声音
- voiceless = 無声音