言語の移行と衰退
複数の言語が併存していて、ダイグロシアのように安定した言語環境であれば言語の衰退はあまり見られない。 しかし安定していない、つまり言語同士が同じ状況下で使われ競合した場合、一つの言語が広く使われるようになり、それ以外が衰退していく過程を辿ることが多い。 オーストラリアではアボリジニの言語がもともと使われていたのだが、イギリス英語が流入してきてアボリジニの言語は衰退してしまい、ほとんど使う人がいなくなる状態まで陥った。 同様に日本でもアイヌ語や琉球語がこの状態に当てはまる。
reference:ダイグロシア[diglossia]とは - ことばの世界
言語の勢力図
2000年にクリスタルが調べた結果によると、世界に現存する約6000言語のうち1億人遺贈の話者が存在する言語は英語・スペイン語・中国語(北京語)・ベンガリ語・ヒンディ語・ポルトガル語・ロシア語・日本語であるとされている。
世界は4%の言語で成り立っている?
話者が多い順に上から20言語をとると、話者の数は世界の総人口の半分になる。 また全言語の4%つまり240言語で世界人口の96%を埋めることになる。 つまり、残り96%の言語を話す人は非常に少なく、多くの言語は絶滅の危機にあるといえる。
ほとんどの言語が絶滅の危機にある
ユネスコが世界の全言語約6000言語を調べた結果、約2500言語が消滅の危機にあり、1950年以降消滅した言語は250以上に及ぶとされている。 またユネスコは消滅の危機度を4段階にわけて評価した
(1) 極めて深刻: 538言語
(2) 重大な危険: 502言語
(3) 危険: 632言語
(4) 脆弱: 607言語
ちなみに日本ではアイヌ語が「極めて深刻」とされた(現にアイヌ語を話す人は15人程度しかいないとのこと)。 沖縄県の八重山語と与那国語が「重大な危険」に、琉球語・国頭語・宮古語・奄美語・八丈語が「危険」に区分された。